信号を渡ると
老人が倒れていて
そのまわりを数人の若者が囲んでいた
<このやろう>と
一人の若者は拳を振り上げようと ――
二人の老人が仲裁に入った
たくさんの自転車
すれ違う人がやっとの道路
あっという間に道は塞がれてしまった
私もまわりの人々も
まるでテレビの一画面をみるかのように
遠目でみているだけだった
<ごめんなさい>
そんな基本的な一言が言えずに
ぶつかっても足を踏んでも
通り過ぎてしまう
若者も老人もさまざまなストレスを抱いて
自己中心的に生きてしまう
透きとおった青空が
久しぶりに拡がっているというのに