タイル張りの道の上で ミミズが一匹 死んでいる 体全体ひからびて 地面にべったりはりついて 通行人は踏まないようによけて通る きっとミミズは 目の見えない体をひきずって 必死に戻れる土を捜したのだろうか 道の上には一滴の水もない あるのは 照り返しの暑さだけ ミミズが一匹 死んでいる 足元の世界で繰り返される悲劇を 私達は知ろうともしない
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