暮も押し迫り
人々が慌ただしく動く頃
そんな世の中とは無縁のように
父はこの世を去った
心電図の山が失くなると
まだ体温は温かいのに
つい 2,3秒前は口を開いていたのに
父のすべての時計は止まってしまった
それから3日間
止まってしまった時計と
慌ただしく動く時計が
すべてのプログラムに従って
父の葬儀は始まる
ゆっくりと父と別れる暇もなく
何本も立つ線香の煙を
祭壇の上の写真は見下ろして
慣れない伝統に戸惑いながら
今までの私の人生と
その地方の何百年と続いた伝統とに
矛盾と 見栄と 疑問を残したまま
父の人生最期のセレモニーは
幕を閉じる