山下佳恵詩集『あなたへ』


反抗期って


ある日 あれって思うんだ
あれって 思った時に もう始まっているんだ
反抗期って
なにか
お湯が沸く時に似ているなって
思うんだよね

小学校3年くらいから
ちょっと 反抗しはじめて
まるで 底の方から 泡が生まれて
上がって消えていくように反抗期もはじまる
そして だんだん 生まれてくる泡も多くなって
上に上に上がっては
消えていく
女の子だと 中学くらいがピークかな
男の子だと もうすこし先かな
毎日が
反抗の連続なんだ
大きな泡がぶくぶくわきあがるように

すぐキレてしまう子に
どこに行ってしまったんだろう あの可愛かった子は
どこでこうなってしまったんだろう
どこが悪かったのだろう 私の子育ては・・・って
責めて 悲しみ 泣いていた
いつまでも ずっと続くのか
いつまでも このままなのかって
嘆いて 悩んで 泣いていた

お湯も沸騰してしまうと蒸気になってしまうのと同じように
ある時 ふっと気がついたんだ 終わっていたことに

反抗期の道って
ほとんどの子がその道を通るんだよ
大人になる大切な道だよ
通るべき時に
通ってよかったじゃない
その時に通ってくれてありがとう

ねえ
この沸いたお湯でお茶を飲もうよ
湯気の向こうに
あなたの笑顔をみながら
あの頃の事を
笑って話そうよ


「 反抗期って 」( 了 )

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