まだ春浅く
冷たい風の吹く中で
淡くはかない空の色と
同じ色した花の色
冷たい土の地面から
小さく波打ち揺れながら
春の訪れ伝えます
地面に浮かぶ
小さな水玉の群れ
つけられた名前を知ることもなく
花が散り
実を結ぶころ
つけられた名前の由来を知るのです
冷たい風に
水玉の群れのうたが
小さな か細い声だけど
混ざって聞こえてくるのです
負けない
たとえどんなに寒くたって
負けない
たとえ道端やアスファルトのすき間からはえていても
負けない
たとえ受粉する他の花がなくても
負けない
たとえどんな名前がついていたって
負けない
と オオイヌノフグリの花はうたうのです