缶を振ると音がする
カラカラカラと音がする
もうなくなったと思っていたのに
カラカラカラと音出して
まだ まだ あるよ と主張する
缶の中から出てきたものは
どれも白い飴ばかり
赤 緑 黄色の飴は
かけらだけしか残らない
甘く
少し癖のある味
子どものときは苦手だった
いつのまにか
なめられるようになった味
この味を味わえるようになったのは
いつからだったのだろう
カラ カラ カラと音がして
忘れ去られた記憶の中で
心に残った白い飴が
まだ まだ あるよ と主張する