山下佳恵詩集『あなたへ』


サンドイッチの空しい笛


家にいれば
休日くらい子どもの世話をして とどやされる
掃除 洗濯をするのは あたりまえ
亭主関白って
いつの時代のこと?
家事をやっているつもりでも
まだまだ足りない とせめられて

職場にいれば
仕事優先 上司や得意先の顔色を窺う毎日
目標を達成するのは あたりまえ
馬車馬のように働けって
いわれていた時代もあった
組織の歯車となって
お金を稼ぐのも樂じゃない

上司からは俺らのころはね と説教され
新人からはマニュアル通りにと主張され

頑張っても 頑張っても
ぼくのランチはワンコイン
妻のランチは豪華ランチ

笛吹けど踊らず

あっちからも
こっちからも挟まれて
ぼくは サンドイッチ

しかも最近のサンドイッチは
具がぎっしり詰まっているのが流行っているらしい

ぼくもぎゅうぎゅうに挟まれて
誰かに食べられちゃうのかな

サンドイッチの笛は空しく響く




「 サンドイッチの空しい笛 」( 了 )

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