ボンネット近くまで砂に埋まった車が一台 寄せてくる波が その車の上を通りぬけていく 波しぶきが 容赦なく異物を呑みこんでいく そして そのまま 砂に埋まって どんどん沈んでしまうのか どんよりとした雲が 時々光を地上にさしこんで過ぎていく 何百年 何千年かたって その車が また砂の上に現れるようなことが あったなら それを見つめる目は いったい どんな目なのだろうか
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